第二節 万有原力と授受作用および四位基台 その3

(三)正分合作用による三対象目的を完成した四位基台 その1

(1)正分合作用

本文

 万有原力によって、神自体内の二性性相が相対基準を造成して授受作用をするようになれば、その授受作用の力は繁殖作用を起こし、神を中心として二性性相の実体対象に分立される。このように分立された主体と対象が、再び万有原力により、相対基準を造成して授受作用をすれば、これらは再び、合性一体化して、神のまた一つの対象となる。このように、神を正として、それより分立して、再び合性一体化する作用を正分合作用と称する。

概要
補足

 「神自体内の二性性相が・・・二性性相の実体対象に分立される。」とは、神(人も同じ)においては思考であり創造(外的発展的授受作用)である。
 主体・対象とは、神の創造において既に分かれている実体と、組織などをさらなる発展のために分割する場合とがある。

 正分合とはそれぞれ何かを説明すると、

  1. ”正”とは、目的や理想、あるいは神、神を中心とした人物(本然の世界においては神の心情が中心)となる。
  2. ”分”とは、神によって創造された2つの被造物、あるいは、人間によって作られた2つの存在が、「1」を中心として相対基準を結び授受作用を行うこと。
  3. ”合”とは、主体・対象が正を中心として完全に一体となった状態、また、その結果発生した新生体。

 ある新製品を作ろうとする人間を例にするならば、ある目的(正)を中心として思考(分)することで新しいアイデアが生まれる(合)。思考とは自身の「知情意」と「観念や概念、原則、数理」が内的に授受作用を行い、新たな新生体(アイデア)を生み出す作業である。そのアイデア(設計図)を目標として、人間や機械、あるいは材料と材料が授受作用を行うことで、新製品が生まれるのである。
 四位基台の項で紹介するが、神の創造目的を中心として夫婦が一体となり子女を繁殖するのも正分合作用である。
 正分合作用は先の授受作用に時間的概念を加えた表現とも言える。

※正分合の合性体は「合成体」ではなく「合性体」と書く。二性が一体となることを強調した言葉。

(2)三対象目的

本文

  正分合作用により、正を中心として二性の実体対象に分立された主体と対象と、そしてその合性体が、各自主体の立場をとるときには、各々残りのものを対象として立たせて、三対象基準を造成する。そうして、それらがお互いに授受作用をするようになれば、ここで、その主体を中心として、各々三対象目的を完成するようになる。

概要
補足

 4つの対象がそれぞれ主体の立場で三対象を持ち、完全な授受作用をなせば四位基台を完成するようになる。それは同時に三対象目的の完成でもある。
 家庭を例にとるならば祖父母、父・母、子女の4つの対象がそれぞれの3つの対象に対して主体と対象の立場に立つことができる状態となり、それぞれが完全な授受作用をなせば、家庭完成の四位基台となる。

(3)四位基台

本文

  このように、正分合作用により、正を中心として、二性の実体対象に立たされた主体と対象と、またその合性体が各々三対象目的を完成すれば、四位基台を造成するようになる。

 四位基台は四数の根本であり、またそれは、三対象目的を完成した結果であるので、三数の根本でもある。四位基台は正分合作用によって、神、夫婦、子女の三段階をもって完成されるのであるから、三段階原則の根本となるのである。四位基台は、その各位を中心として、各々三対象となるので、これらを総合すれば十二対象となる。ゆえに、十二数の根本ともなるのである。また、四位基台は、創造目的を完成した善の根本的な基台でもあるので、神が運行できるすべての存在と、またそれらが存在するための、すべての力の根本的な基台ともなる。したがって、四位基台は、神の永遠なる創造目的となるのである。

概要
補足

正分合作用により三対象目的を完成した結果、現れてくるのが四位基台である。
四位基台は授受作用に空間的概念を加えた表現とも言える。
数も神の創造であり、4数、3数、12数、三段階原則の根本はこの四位基台にある。12か月、干支、12星座、時間(12×2:陰と陽)、ドレミファソラシまでの1オクターブの12音。
神の創造目的は四位基台の完成であるので善の根本的な基台でもある。
全ての力を発生せる授受作用は、四位基台をなすことでのみ発生するので、力の根本的な基台でもある。